このところ、固有名詞がトンと出てこない。職業上、人の名前はパッと出てこなきゃマズイのだが・・・。先日もカットをしている時お客様に「店長はお酒ナニ飲むの？」と聞かれ「ワインが好きです。」と答えた。「ビールはすぐ酔っ払うし、日本酒は頭痛くなるし、焼酎は味が分りません。」「その点赤ワインなら自分のペースでチビチビやれるし・・・。」…と、そこから先の言葉に詰まった。云いたかったのは「ピノ・ノワールと言うブドウを使ったワインは果実味があってとても美味しいですよ。」と云おうとした。…ピノ・ノワールが出てこない。カベルネじゃないしメルローでもないしガメイでもないし、ロマネコンティの原料のブドウ…んーと何だっけ？と言う具合に結局ワインの本に頼らなければ最後までピの字も出てこなかった。まずいぜ！だんだん娘からもバカにされ、スタッフからもいらぬ気を使われるようになっていくのだろうか？

斉藤和義を聴いた。朝のテレビ番組に偶然出ていたのだ。「ウエディング・ソング」という曲が最新のやつらしい。１０年位前に「アゲハ」という曲を聴いてファンになった。アコギ（アコスティックギター）１本で歌うスタイルは変わっていない。ニューソングは聴いていて自然に涙が出てきた。彼はまだまだ進化している。

日本と日本人が壊れてきた。…というか幼稚化してきた。物事の良し悪しを決めるのに道徳という考えがあった。これは「人に迷惑をかけない」というあたりまえのことで、社会生活をしていく上ではまったく基本的なことなのだが・・・。それが日本になくなってきた。給食費や保育費、授業料、公共料金・・・払えよ！そんな親を見て育った子がどういう大人になるか想像できるだろ？だって不味いから。だって高いから。だってみんなも払ってないから。ウーmu 悪いことをした言い訳にビコーズを使うなよ。Because the world is round. It turns me on.

１月の終わり頃から花粉症の症状が出始め、鼻の詰まったまま寝ることにより、喉を痛めた。咽頭炎である。３月の初めまでに３回病院にも行った。また此のところ寒さが戻り「風邪に気をつけなくっちゃ。」と体調面ではかなり気を使っていた。木曜日は肌寒かったが、金曜・土曜は日差しも温かかった。ただ・・・風は強かった。女房が土曜日に布団を干した。一晩で回復してきた体調の良さが吹っ飛んでしまった。あまりの花粉の多さで１時間おきに目覚める。鼻の穴は両方とも完全につまり口で息をするのも辛い。今まで大丈夫だった目も痒くなってきた。恨んでも後の祭り。人生の縮図を見ているようでもある。溜息・・・ハァ～

最近、実家にある親父の祭壇（ウチは神道なので）の前に座ると涙がでるようになった。「かたじけなさに　涙こぼるる」と詠った西行法師ではないにしろ「なにごとのおわします」かを体感しているようだ。尋常高等小学校出の親父がそんなに偉いわけがないのだが子供の頃より「ウチはみんな死んだら神様になる」と云われて来たので、一番身近な神様を体感しているのかもしれない。もともと精神性の高かった日本人は、どんなものでも神様にしてきた。物とは云ったがそこには神様の実体はない。畏れのようなものだ。だから素直に拝む。そこには現世利益などという卑しい心はない。だから神様にお願いをしてはいけない。・・・よその家はね。ボクはしょっちゅう強請っている。だってウチは親父が神様だから・・・。しかし、この先どんなかたちであれ生きていかねばならない。その先のかたちをボクはまだ親父に教えてもらってはいない。